全身 性 エリテマトーデス アメリカ。 全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)

全身性エリテマトーデス(SLE)を啓発する「世界ループスデー」、国内初の公認イベントに協賛|PRTIMES|時事メディカル

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概念 全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Eryhtematosus)は、その英語の頭文字をとってSLEと呼ばれます。 Systemicとは全身性のという意味で、lupus erythematosusとは皮疹が狼(lupusはラテン語で狼の意味)に噛まれた痕のような紅斑であることから名付けられました。 SLEは自分の体の成分と反応してしまう抗体(自己抗体)ができて、これが全身のさまざまな臓器を障害するためにおこる病気です。 多くの臓器がターゲットとなるため、症状も多彩となり、発熱・全身倦怠感などの炎症による症状と、関節炎・皮疹(蝶形紅斑や円板状紅斑)・精神神経症状・腎障害・心臓や肺の病変・血液検査の異常などがみられます。 さまざまな症状が一度に、あるいは次々に起りながら、よくなったり悪くなったりを繰り返し、慢性の経過を示します。 日本では約5万人の患者さんがいると考えられています。 特に20-30代の若い女性に多く、男女比は1:9-10です。 SLEは世界各地で認められる疾患ですが、黒人とアジア系の人に最も多く発症するとされ人種差があります。 日本においての地域差は見られません。 原因は? SLEの原因はまだよくわかっていません。 一つの原因によるものではなく、複数の遺伝的要因が関与し、さらに何らかのきっかけ(感染症〈風邪などのウイルス感染〉紫外線〈海水浴、日光浴、スキー〉、ある種の薬剤、女性に圧倒的に多いことから女性ホルモンの関与)が加わって、免疫のバランスが崩れることでSLEを発症すると推測されています。 免疫とは、自分を細菌やウイルスなどから守ってくれる大切な役割をしているものですが、SLEでは、自己免疫といって免疫力が自分の体を攻撃するようになり、全身にさまざまな炎症を引き起こします。 自分自身の体に対する免疫は、血液中の抗体を調べることによって判断できます。 この病気の患者さんの95%以上が、血液中に抗核抗体をもっています。 自分自身の細胞のなかにある核と反応してしまう抗体で、さらに免疫複合体という物質を作って、全身の皮膚、関節、血管、腎臓などにたまって病気が引き起こされると考えられています。 このほか、免疫を司るリンパ球も直接、自分の細胞、組織 を攻撃すると考えられています。 厚生労働省では、原因がわかっていない難病とされるいくつかの病気について、国の事業として年1回の調査を行い、医療費の補助を行っています。 そのような調査の対象になっている病気のことを「特定疾患」と呼んでおり、SLEも特定疾患の1つとなっています。 どのような症状が出ますか? SLEを発症すると発熱、全身倦怠感、疲労感、食欲不振、体重減少などの全身症状が出ます。 また、皮膚や関節の症状はほとんどの患者さんに現れます。 症状は人によって大きく異なりますが、急性の感染症のように突然の発熱によって発症することもあれば、微熱や体調がすぐれないといった症状で、数カ月かけて少しずつ進行していくこともあります。 いずれの症状も消失したり出現したりを繰り返します。 多くの女性は、月経が始まると症状が消失し、月経周期の後半に再び症状が現れます。 閉経後の女性の再燃はあまりみられません。 現在では早期の診断が可能となり、有効な治療法が確立されてきたためSLEの予後はこの30年で著しく改善されました。 しかし、経過の予測は困難で、実にさまざまな経過を取ります。 一般的には、初期の炎症コントロールが良好であれば、長期にわたる経過の見通しも良好とされています。 【皮膚・粘膜の症状】 鼻から頬にかけて蝶が羽を広げた形に似ている皮疹(蝶型紅斑)が特徴的です。 また、やや隆起した皮疹、皮膚が薄くなった皮疹、顔や首・耳・前胸部・肘などに中心の色素が抜けたコインのようになるディスコイド疹もみられます。 また、手のひら、手指、足の裏にできる、しもやけ様の皮疹も特徴的な症状です。 口腔内粘膜(特に口の奥、頬の内側、歯肉)や鼻咽腔に痛みのない浅い潰瘍ができることがあります。 【関節の症状】 約90%の人に、手や指が腫れて、痛みを伴う関節炎が起こします。 肘、膝などの大きな関節に、日によって場所が変わる移動性の関節炎が見られることもあります。 とくに、関節炎で発病する場合には、(RA)と間違えられることもありますが、SLEではRAと異なって骨の破壊を伴うことはほとんどありません。 稀に関節症状が長期にわたり持続すると、関節の変形(ジャクー関節症)も起こります。 【腎臓の症状】 腎臓の障害には、軽微でまったく症状がない場合もあれば、確実に進行して致死的となる場合もあります。 腎障害では急性期に蛋白尿がみられ、尿沈渣では赤血球、白血球、円柱などが多数出現(テレスコープ沈渣)するのが特徴です。 糸球体腎炎()と呼ばれる腎臓の障害は約半数に現れ、放っておくと重篤となり、やに進行してが必要になり、命にかかわることもあります。 【中枢神経の症状 】 中枢神経症状(中枢神経ループス)もと並んで、SLEの重篤な症状です。 多彩な精神神経症状がみられますが、なかでも、うつ状態・失見当識・妄想などの精神症状と片頭痛、てんかん発作、けいれん、が多くみられます。 【心肺病変の症状】 心臓や肺では、心膜の炎症(心膜炎)による胸痛は比較的多く、漿膜炎(心外膜炎や)の合併は約20%に起こります。 胸膜の炎症によるものでは、胸膜内の水分の貯留による場合とそうでない場合とがあります。 肺機能がわずかに障害を受けることはよくあります。 肺の炎症(ループス肺炎)や、致死的な肺の出血(肺胞出血)、肺高血圧症などの難治性病態も稀に認めます。 【消化器の症状】 腹痛や吐き気がみられる場合には、腸間膜の血管炎やループス腹膜炎、ループス膀胱炎に注意が必要です。 【造血器の症状】 貧血、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少などの血液の異常もよくみられます。 また、抗リン脂質抗体という抗体がある場合は、習慣性流早産、血栓症、血小板減少に基づく出血症状などの症状を伴い、これを抗リン脂質抗体症候群と呼んでいます。 どのような検査がありますか? 一般的な検査としては、血沈(赤血球沈降速度)、尿、血液検査、胸部X線、心電図などが必要です。 血清検査では、免疫グロブリン、補体、抗核抗体、抗DNA抗体、抗Sm抗体、抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体、ループス抗凝血素、血清反応生物学的擬陽性)といった自己抗体の検査が重要です。 抗核抗体が検出された場合は二本鎖DNAに対する自己抗体も検査します。 尿検査では尿中にタンパク質や赤血球が認められ、血液中のクレアチニン濃度が上昇するなど、腎障害を示す所見がないか調べます。 以後の治療計画を立てるために腎生検が必要なこともあります。 SLEの診断は、1982年のアメリカリウマチ協会の「改訂基準」(1997年に改変)に照らして行われます。 特に若い女性では、その症状と診察所見からSLEを疑います。 しかし、症状が多彩なため、初期の段階では類似した他の病気との判別は困難なこともあります。 SLEの診断は、症状や血液、尿、レントゲン検査などから総合的に判断しますが、専門医のもとで総合的に診断することが重要です。 治療法は? 治療の中心は、免疫のはたらきを抑え、炎症を抑えることです。 そのため第一選択薬は副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)です。 効果不十分の場合は、ステロイドパルス療法や免疫抑制薬の併用が行われます。 死因で多いのは感染症、、中枢神経障害です。 治療に際しては、一人ひとりの重症度、疾患活動性を十分に考慮したうえで、薬の種類や量を決定します。 一般的にステロイドは、重症の場合はプレドニゾロンを1日60mg、中等症~軽症の場合は1日20~40mgから開始します。 ステロイドによって症状が軽快し、検査データも改善したら減量を開始しますが、急激な減量は再燃を招く危険があるため、慎重にゆっくりと行います。 最終的には、プレドニゾロンで1日5mg程度を長期間にわたって使用し続ける必要があります。 免疫抑制薬の併用により、さらにその維持量を減量しようとする試みもなされています。 初回投与量で効果不十分の場合、または減量中に再燃した場合はステロイドを増量します。 それでも効果不十分な場合は、ステロイドのパルス療法や免疫抑制薬(ミコフェノール酸モフェチル1日1000-2000 mg、アザチオプリン1日50-100 mg)を併用します。 とくに、WHO分類のIII型、IV型のに対しては、シクロホスファミドの点滴静注(シクロホスファミドパルス療法)が長期予後の面からも有用性が高いことが証明されています。 ただしシクロホスファミドの副作用として(生殖器障害)があるので、適応を慎重に判断する必要があります。 近年では、免疫抑制薬としてミコフェノール酸モフェチルの有用性がシクロホスファミドパルス療法と同等以上であることが判明し、生殖器障害がないことから使用することが増えています。 また、ミコフェノール酸モフェチルとタクロリムスを併用すると、シクロホスファミドパルス療法より有用であることが示されています。 ステロイドの副作用には、満月様顔貌、、、感染症、などがあります。 とくに、ステロイドの内服量が多い間は、などの日和見感染に十分気をつける必要があります。 はほぼ必発で、プレドニゾロン1日5mgであっても進行するため、活性型ビタミンD製剤やビスフォスホネート製剤などを予防内服することが必要です。 また、SLE患者さんの血液が固まりやすい傾向をもっている場合は、低用量のアスピリンを使用します(アスピリンは血小板の凝集を抑え、血栓形成傾向を抑制します)。 SLEのかた全員にヒドロキシクロロキンが勧められます。 特に皮膚病変、関節病変をもつSLEの方にはヒドロキシクロロキンが使用されています。 ヒドロキシクロロキンの詳細については、をご覧下さい。 生活の上での注意点は何でしょうか? SLEは慢性の経過で、病状が悪くなったり良くなったりを繰り返す特徴があります。 長期に安定した状態(寛解)を維持することが治療の目標です。 再燃するきっかけとして多いものは、日光は寒冷への暴露(海水浴・日光浴・スキー)、風邪などの感染症、妊娠、外傷、手術、薬剤アレルギー、治療薬を医師の指示通りに服用しないことなどが挙げられます。 薬を指示通りに内服し、風邪などひかない健康的な生活を行うことが生活上の注意点です。 また、副腎皮質ステロイドは食欲を増してしまいます。 食事の内容と量に注意し、適切な食生活を送るようにしてください。 SLE患者さんにとって手術や妊娠は複雑な問題であり、十分な医学的管理が必要です。 流産や分娩後の再発はよくみられますが、病状が落ち着いた後の妊娠であれば問題はありません。 プレドニゾロンを1日15mg以下でSLEの疾患活動性がコントロールされていれば、妊娠・出産が可能です。 しかし、分娩後に増悪することが多いので、分娩時よりステロイドを一時的に増量することがあります。 手術が必要な場合も、分娩と同様にステロイドを一時的に増量する必要があります。 感染症を起こした場合でも、決してステロイドを中止してはいけません。 これは、長期間にわたるステロイドの内服により副腎皮質のストレス反応が十分に起きにくくなっているためです。 そのためステロイドを中止すると副腎不全を起こしてショック状態になる危険があります。 緊急の災害時にはステロイドを一緒にもって避難できるように、普段から少し余分に持っておいたほうがいいでしょう。

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全身性エリテマトーデスとは│cdn.gifpop.io

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全身性エリテマトーデス systemic lupus erythematosus, SLE 疾患概念・病態 SLEは原因不明の全身性自己免疫疾患であり、本症では抗核抗体(anti-nuclear antibody, ANA)をはじめとする多彩な自己抗体が出現し、それに関連してループス腎炎をはじめとする多臓器病変が進展する。 多くの病態は副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬により改善するが、寛解と再燃を繰り返しながら難治性の経過をとる場合もある。 遺伝的素因および環境因子が絡み合いながら進展していくSLEの病態生理は非常に多様であるものの、多彩な自己抗体の産生とその抗体自体、もしくは抗体と抗原が結合した免疫複合体により多臓器の障害がもたらされるという考えは広く受け入れられている。 どのような過程でそれぞれの抗原特異的な免疫応答が誘導されるかは未だ明らかではないものの、これまでの研究によってその抗体産生にはT細胞やB細胞の質的および量的な異常などによる獲得免疫に加え、自然免疫の異常が深く関与していることが示されている。 疫学 現在約57,000人が特定疾患の医療受給者証の発行を受けているが、その推定患者数は6~7万人とされている。 20~40歳代の女性に好発し、男女比は1:10とされている。 診断・鑑別診断 SLEの診断には1997年に改訂されたアメリカリウマチ学会(American College of Rheumatology, ACR)によって提唱された分類基準()が用いられている。 この改定基準では以前の基準で採択されていたLE細胞陽性が削除され、梅毒血清反応偽陽性(biologic false positive, BFP)が抗カルジオリピンIgGまたはIgM抗体、ループス抗凝固因子、およびBFPのいずれかが陽性の抗リン脂質抗体陽性に改変された。 しかし、この基準でも臨床所見も血清学的所見もすべての項目が同等に評価され、腎生検でループス腎炎を認めても診断に至らない、血清低補体価などの所見が採択されていない、といった問題点が指摘されていた。 この点をふまえ、2012年にsystemic lupus international collaborating clinics(SLICC)がより高い感度を有する改定分類基準を()を提唱した。 この基準では臨床的項目と血清学的項目にわけられ、臨床的基準には新たに急性と慢性の皮膚症状および脱毛が加えられ、血清学的基準に血清低補体価やクームス直接試験陽性が加えられた。 これらの項目のうち少なくとも血清学的基準の一項目を含む4項目を満たすか、ANAもしくは抗dsDNA抗体陽性で生検によりループス腎炎が組織学的に証明された場合にSLEと診断される。 最後に以下の疾患を鑑別・除外できるか確認する。 白血球減少および抗SS-A抗体陽性などの所見は両疾患に共通しており、注意を要する。 精神・神経症状に関しては、SLEの精神・神経ループス(neuropsychiatric syndrome of systemic lupus erythermatosus, NPSLE)か、副腎皮質ステロイドの副作用、腎不全、血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura, TTP)、抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome, APS)を否定できるか確認する。 精神症状は使用しているステロイドの副作用やTTPなどの病態でも認められ、痙攣発作は、高度に進行した腎不全、高血圧、感染症、播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation, DIC)さらにTTPでも認められる。 また、APSも問題となる。 鑑別上、他の病態に関連した病歴の有無、また病態の検索、さらに自己抗体、髄液検査、脳波、SPECT(Single photon emission computed tomography)を含むCTおよびMRI(magnetic resonance imaging)などの画像診断を参考に診断する。 薬剤誘発性ループス ヒドララジン、塩酸プロカインアミドなどの薬剤により薬剤誘発性ループスと呼ばれるSLE様病態が誘発されることがある。 感染症 SLEの経過中に発熱、リンパ節腫脹、漿膜炎、神経症状などが感染に伴い発症することがある。 高度なCRPの上昇は感染を疑わせる。 臨床症状• 初発症状 全身症状として発熱、体重減少、リンパ節腫脹などが出現する。 局所症状としては、レイノー現象、紅斑などの皮膚症状、関節痛、さらに浮腫などがみられる。 妊娠・出産や海水浴・登山での紫外線暴露、薬剤などが症状出現のきっかけとなることがある。 局所症状()• 皮膚症状 皮膚症状は最も代表的な初発症状である。 蝶形紅斑、円板状狼瘡、脱毛、レイノー現象、日光過敏、口腔内潰瘍など多彩な病変を認める。 レイノー現象では寒冷に暴露すると白色、紫(チアノーゼ)、発赤と三相性の変化が認められる。 脱毛は汎発性もしくは円形状で、手などで毛髪を引くと、多量に抜け落ちる。 抜け落ちた毛には毛根を認めない。 関節・筋症状 関節痛・関節炎は多発性で手指の近位指節間関節(metacarpophalangeal joint)や中指節間関節(proximal interphalangeal joint)、手、肩、肘および膝関節などに認める。 通常、関節炎は移動性であるが、一定の関節に腫脹を伴う持続性の関節炎として認められることもある。 しかし、関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)のような骨破壊は伴わない。 多発性筋炎/皮膚筋炎と同様の筋炎により、近位筋の筋肉痛や脱力感が出現することがある。 腎症状 ネフローゼ症候群や腎不全に至るまで浮腫などの自覚症状を認めない。 しかし、蛋白尿や赤血球・白血球尿、円柱尿(赤血球、顆粒、硝子、ろう様など)などが早期の病変から出現し、しばしば検診などで偶然に発見されることがある。 精神・神経症状 初発症状としてはまれであるが、経過中に痙攣重積発作、意識消失発作、脳血管障害、脳神経障害、脊髄障害、無菌性髄膜炎、舞踏病、頭痛、精神症状および末梢神経障害など、多彩な精神・神経症状が出現する。 このようなNPSLEがACRにより分類されている。 ここでは大きく末梢性と中枢性に分類され、CNS(central nervous system)ループスと呼ばれる中枢性の障害は、無菌性髄膜炎、脳血管障害、脱髄疾患、頭痛、痙攣などの神経症状と、昏迷、神経症、抑鬱および統合失調症様症状などの精神障害などの精神症状に分けられる。 acute confusionalstatは意識混濁および意識変容をみる意識障害で、anxiety disorderは不安感の精神的表出、不安発作、強迫性障害など、cognitive disfunctionは高次脳機能障害をみる認知障害で、mood disorderは感情の抑鬱や高揚の持続、さらにpsycosisは幻想や妄想により日常生活に支障をきたす状態で、抗リボゾームP抗体との相関が認められる。 心・肺症状 心病変としては心膜炎と心筋炎が認められ、心膜炎は胸膜炎としばしば共存する。 これらの病変により、前胸部痛などの自覚症状や心膜摩擦音などの所見を認める。 心筋炎は特に抗U1-RNP抗体陽性例での出現率が高い。 肺病変としては胸膜炎に加え、間質性肺炎・肺線維症、ループス肺炎・肺出血、肺梗塞・塞栓などが活動期に出現することがある。 間質性肺炎では息切れ、咳嗽などの自覚症状を認め、乾性ラ音を聴取し、肺梗塞では胸痛、呼吸困難、血痰などを訴える。 間質性肺炎および肺高血圧症は抗U1-RNP抗体陽性例で出現率が高くなる。 消化器症状 口腔内潰瘍に加え、腹痛・圧痛、筋性防御および腹水などの症状が虚血性腸炎による急性腹症や無菌性腹膜炎において認められる。 炎症性腸疾患に伴う蛋白漏出症候群により下痢症状が出現する。 まれに急性膵炎を発症することがあるが、治療に用いられる副腎皮質ステロイドの副作用について留意する必要がある。 また、胆嚢はしばしば血管炎の標的臓器となる。 検査所見• 一般検査• 血液検査所見 検診などで白血球減少が指摘され、本症が発見されることも多い。 とくにリンパ球が減少する。 また、血小板減少症と自己免疫性溶血性貧血による貧血は重篤で、しばしば治療に抵抗性を示す。 APSでも血小板減少が認められる。 また、併発するTTPや血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome, HPS)により汎血球減少症を認めることもある。 生化学的検査 ループス腎炎による腎不全にともない血清BUNやクレアチニンが上昇する。 ネフローゼ症候群では血清蛋白およびアルブミンの低下、さらに高コレステロール血症が認められる。 筋炎では筋原性酵素が上昇するが、多発性筋炎のように著増することはまれである。 肺梗塞や肺線維症では血清LDHが上昇する。 尿検査所見 尿所見では蛋白尿、細胞性円柱および血尿などの異常所見が認められる。 診断のためには一日0. 関節炎や漿膜炎によってCRPが上昇する。 血清低補体価も腎症や皮膚病変、さらに溶血性貧血にともなって認められる。 免疫血清学的所見で最も有用な情報を提供するのはANAで、抗dsDNA抗体や抗Sm抗体など、疾患特異抗体以外のANAも病態把握のために有用である。 抗U1-RNP抗体はレイノー現象などの臨床像に強い相関を示すが、SLEにおいては比較的軽度の腎症を有す群に高率に検出される。 抗リボゾームP抗体価はCNSループス、特に精神症状と相関するとされている。 ESRの亢進およびCRPの上昇はSLEにおける炎症性病変に関連して認められる。 特に関節炎や漿膜炎などの病態に相関するが、著明な高値をとることはまれで、そのような場合には感染の合併を疑う。 治療 SLEは極めて不均一な病像を有し、疾患全体をいくつかの病型に明確に分類することは不可能である。 SLEにおける治療は個々の患者の有する臓器病変とその重症度により異なる。 種々の検査を実施し、病態を的確に評価した上で治療指針をたてることが求められる。 基本的治療• 軽症例 皮疹や関節炎を中心とする軽症例では非ステロイド系抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs, NSAIDs)と中等量以下の副腎皮質ステロイドが用いられる。 ステロイド抵抗性の腎炎、NPSLE、血小板減少症、溶血性貧血、血管炎、間質性肺炎などの難治性病態、さらにステロイドの大量長期投与が副作用などの問題で実施不能な場合にステロイドパルス療法が行われる。 通常、メチルプレドニゾロンを一日500~1,000mg、3日間連続して点滴静注する。 また、シクロフォスファミド(cyclophosphamide, CY)、アザチオプリン(azathioprine, AZ)、ミゾリビン(mizoribine, MZR)およびタクロリムス(tacrolimus, FK506)およびシクロスポリン(cyclosporine A, CyA)などの免疫抑制薬も、ステロイドパルス療法の適応に準じて用いられる。 この寛解導入にはステロイドパルス療法に加え、IVCYが実施されるが卵巣機能障害などの副作用が問題となっていた。 そこで欧米では新たな治療ガイドラインが策定され、ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil, MMF)の使用が寛解および維持療法において推奨されている。 本剤はIVCYとほぼ同等の効果を有しながら、無月経などの副作用が有意に少ないことが利点とされている。 MMFはこれまで我が国では承認されていなかったが、公知申請による承認が得られ、その投与が保険適応となった。 日本リウマチ学会よりその使用ガイドラインが示されているので参考にされたい。 我が国においてはMMFと同様の薬理作用を有するMZRの併用療法が試みられ、その有効性が報告されているが、今後はMMFとの併用効果の確認が必要とされている。 今後の新たな治療法として生物学的製剤の導入が期待されている。 抗CD20抗体のリツキシマブは難治性のNPSLEなどでの有効性が報告されているが、大規模無作為臨床治験での有用性が確立されていない。 これは診断技術や新規治療による早期診断・治療が可能になったことによるが、依然、既存の治療に抵抗するいわゆる難治性病態が存在する。 一方、治療による副作用も大きな問題で、治療によって誘発される感染症も死因の第一を占めている。 さらにステロイドによる一連の副作用は多彩で、心血管病変も含め患者の生活の質(Quality of Life, QOL)をしばしば著しく低下させる。 患者にはこれらの一連の副作用を防ぐ目的で治療に対する十分な説明を行い、日常生活指導を適切に行うことが求められる。 表1 SLEの分類基準(アメリカリウマチ協会、1997年改訂)• 頬部紅斑:頬骨隆起部上の紅斑• 円坂状紅斑• 光線過敏症:患者病歴または医師の観察による• 口腔内潰瘍:医師の観察によるもので通常無痛性• 関節炎:二つ以上の末梢関節の非びらん性関節炎• 漿膜炎• 胸膜炎:胸痛、胸膜摩擦音、胸水• 心膜炎:心電図、心膜摩擦音、心嚢液• 腎障害• 5g/日以上または3+以上の持続性蛋白尿• 細胞性円柱:赤血球、顆粒、尿細管性円柱• 神経障害• けいれん• 精神症状• 血液学的異常• 溶血性貧血• 白血球減少症:4,000/mm3未満が2回以上• リンパ球減少症:1,500/mm3未満が2回以上• 血小板減少症:100,000/mm3未満• 免疫学的異常• 抗DNA抗体:二本鎖DNAに対する抗体の異常高値• 抗Sm抗体の存在• 抗リン脂質抗体:抗カルジオリピン抗体陽性、ループスアンチコアグラント陽性、梅毒血清反応偽陽性• 抗核抗体の検出 観察期間中、経時的あるいは同時に11項目中4項目以上存在すればSLEと分類する。 表2 SLICCによる分類基準 臨床的基準• 急性皮膚型ループス• 慢性皮膚型ループス• 口腔潰瘍• 非瘢痕性脱毛• 滑膜炎• 漿膜炎(胸膜炎、心膜炎のいずれか)• 腎病変(尿蛋白0. 神経学的病変(痙攣発作、精神病、多発性単神経炎、脊髄炎、末梢・中枢神経障害,急性錯乱状態)• 溶血性貧血• 抗核抗体陽性• 抗dsDNA抗体陽性(ELISA法では基準値の2倍を超える)• 抗Sm抗体陽性• 抗リン脂質抗体陽性• 低補体(C3、C4、CH50)• 直接クームス試験陽性(溶血性貧血なし) 上記のうち免疫学的基準1項目以上を含む4項目以上を満たすか,抗核抗体もしくは抗dsDNA抗体が陽性で、生検で証明されたループス腎炎が存在する場合にSLEと分類 表3 SLEの臨床所見の出現頻度(%) 皮膚粘膜症状 消化器症状 蝶形紅斑 73. 9 肝腫大 15. 1 脱毛 57. 1 急性腹症 5. 0 レイノー現象 50. 7 腹膜炎 0. 5 日光過敏症 42. 9 円板状狼瘡 15. 3 リンパ節腫張 35. 0 口腔内潰瘍 15. 0 網状皮斑 10. 5 検査所見 赤沈亢進 98. 3 関節・筋症状 溶血性貧血 10. 3 関節痛(炎) 90. 1 白血球減少 65. 5 無菌性骨壊死 10. 5 血小板減少 18. 1 筋肉痛(炎 28. 5 リウマトイド因子 35. 8 腎症状 直接クームス陽性 26. 4 蛋白尿(3. 4 血清低補体価 83. 3 蛋白尿(3. 7 血清梅毒反応偽陽性 14. 5 赤血球尿 96. 9 抗核抗体 94. 3 細胞性円柱 76. 9 抗DNA抗体 89. 0 BUN上昇 56. 9 抗Sm抗体 23. 0 クレアチニン上昇 54. 7 抗U1-RNP抗体 38. 0 抗SS-A抗体 46. 0 精神神経症状 抗SS-B抗体 9. 0 精神症状 24. 1 抗Ki抗体 18. 3 痙攣発作 9. 3 抗PCNA抗体 3. 0 脳波異常 38. 8 CT異常所見 44. 3 末梢神経障害 7. 6 心・肺症状 心外膜炎 7. 5 心筋炎 2. 2 心電図異常 42. 8 胸膜炎 11. 7 間質性肺炎 25. 6 肺拡散能障害 25. 5 肺拘束性障害 11. 7 ループス肺臓炎 5. 8 肺高血圧症 1. 0 こちらも併せてご覧ください.

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全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus: SLE)|慶應義塾大学病院 KOMPAS

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()は全身に起こるの一種で、顔に特徴的ながみられることが知られています。 全身性エリテマトーデス(SLE)の症状や診断、治療に対する考え方などについて、国立病院機構横浜医療センターリウマチ科部長の井畑淳先生にお話をうかがいました。 全身性エリテマトーデス(SLE)はどのような病気? エリテマトーデス(Erythematosus)は「赤い湿疹ができる病気」という意味 は全身に起こる免疫の病気です。 その中でも主に悪くなるところは皮膚、白血球や赤血球などの血球、そして腎臓です。 そのほか、症例によっては胸膜(きょうまく・肺と胸郭を包む膜)や心膜(しんまく・心臓を包み、ほかの臓器と隔てている膜)に炎症を生じ、・心膜炎を発症することもあります。 炎症を起こすと熱が出るため、最初にみられる症状としては関節の痛みと熱を訴える方が多い病気です。 さらに、この病気の名前の由来でもある特徴的な症状として、皮膚の(しっしん)があります。 エリテマというのは「赤い」という意味で、赤い湿疹(紅斑)のことをエリテーマといいます。 つまりエリテマトーデス(Erythematosus)は「赤い湿疹ができる病気」という意味です。 全身性エリテマトーデスの場合にはとも呼ばれます。 これはSystemic Lupus Erythematosusの略です。 Systemic は全身の、という意味で、Lupusはラテン語で狼のことを指します。 狼に噛まれた痕のような形の赤い湿疹を生じる全身の病気という意味でこの名前が付けられました。 蝶形紅斑とは。 全身性エリテマトーデス(SLE)にみられる特徴的な湿疹 ()の皮膚症状の特徴は、顔に蝶々のような形のが出ることです。 鼻筋を蝶の体に見立てると、ちょうど左右に羽を広げたような形に出ることから蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)あるいはバタフライ・ラッシュと呼ばれます。 画像提供:国立病院機構横浜医療センター 井畑淳先生) この皮疹(ひしん)は全身性エリテマトーデス(SLE)に非常に特徴的なものであるとされています。 すべての患者さんにみられるわけではありませんが、蝶形紅斑が出ている場合には全身性エリテマトーデス(SLE)の可能性が高いといえます。 湿疹がはっきり出ない場合や腎臓の炎症によるむくみが出る場合もある 患者さんが最初に気づくきっかけは、こうした皮疹で皮膚科を受診することもありますが、熱が出てなかなか下がらないという場合もあります。 しかし、も最初から目に見えてはっきり出るとは限らないため、何か赤いものが皮膚に出てきて熱もあるということから、()や()かもしれないと考えて病院に来られる方もいらっしゃいます。 患者さんの自覚症状としては、関節の痛み・熱・皮疹の3つが最初によくみられるものですが、腎臓が炎症を起こすため、中にはむくみが現れるという方もいらっしゃいます。 発熱や異常なだるさを訴えて受診された方を診察してみると、足がむくんで水が溜まっているというケースはしばしばみられます。 全身性エリテマトーデス(SLE)の検査と診断 先に述べたように、()では特徴的なが出ることが多いのですが、患者さん自身が湿疹を見て最初からこの病気を疑うということはあまりありません。 したがって、我々リウマチ内科を受診される患者さんは主に他の医療機関からの紹介で来られることが多くなっています。 患者さんが皮膚科や内科など一般の開業医を受診された場合、現在は自己抗体といって、採血をすれば血液検査でわかるような抗体が出ているので、比較的診断がつきやすくなっています。 しかし、それが測れないとなると診断は容易ではありません。 したがって、検査でこうした抗体が出せなければ、かなり診断の難易度が高い病気であるといえます。 専門医が診れば、全体のおよそ7割以上を占めるような典型的な症例については、診断に至ること自体はけっして難しいわけではありません。 もちろん例外的な症例はありますが、現在は診断の手がかりとなるような特異性の高い抗体などがあることもわかっています。 たとえば抗DNA抗体と抗核抗体(こうかくこうたい)が強い陽性を示している、あるいは補体(ほたい)が低下するというような特徴的な所見が出ている患者さんに関しては、容易に診断が可能です。 湿疹についても、より詳しく診断するために皮膚の一部を採取して調べるという方法があります。 この検査によって湿疹などの皮膚症状が本当に免疫の病気によるものなのかどうかということが、より正確に判断できる可能性があります。 最近の診断基準では皮膚に関してもう少し詳しく調べるべきであるとされ、従来よりも広い範囲でより厳密に評価するようになっています。 全身性エリテマトーデス(SLE)は典型的な症例の他にもさまざまな症状の現れ方がある ()の典型的な疾患像は、20代から30代ぐらいの比較的若い女性が発症し、急な発熱とともにやむくみ、関節の痛みが出てきて、抗生物質を使ってもよくならないというものです。 しかし実際には症状の現れ方はさまざまです。 たとえば皮膚症状が中心であっても、専門医を受診してよく調べてみたら実は腎臓にも炎症があることがわかったというような場合もあります。 皮膚症状として円板状の紅斑(Discoid)のみが現れている場合には、全身性のエリテマトーデスとは別のものとして、(Discoid Lupus Erythematosus; )と診断されることがあります。 しかし、皮膚症状が中心であるためにこのDLEだと思われていた症例であっても、よく診てみると実は全身症状がみられるということがあります。 典型的な症例以外では、重症化してから診断されることもある 典型的な症例では顔に非常に鮮明な紅斑が出るので比較的わかりやすいのですが、たとえば手の甲などにが出る、あるいは脱毛という形で出る方もかなりいらっしゃいます。 毛の根元に皮疹があることが脱毛の原因になっている場合には、見ただけではなかなかわからないということがあります。 もちろん皮膚科医の先生方も、特に若い女性の患者さんでこのような症状がみられる場合には、少しでも疑わしいことがあれば専門機関で詳しく診てもらいましょうという形で我々のリウマチ内科に紹介してくださっています。 しかしその一方で、患者さん自身はすぐに治るだろうと思っても、後になって専門医にかかってみると実は()だったということもあります。 症状がもっと表に出てきてからようやく病院に行き、病気が進んでかなり重い状態で受診される方もいらっしゃるのです。 全身性エリテマトーデス( SLE )の治療における早期介入の重要性 ()の治療をいつ、どの段階で始めるかということは臓器によってそれぞれ異なりますが、たとえば腎臓で炎症がずっと続いていると、やがて腎臓の機能が低下していきます。 全身性エリテマトーデス(SLE)による腎炎はループス腎炎と呼ばれ、この病気の予後、すなわちこれからの経過を決める一番の要因であるといわれています。 腎臓には糸球体(しきゅうたい)と呼ばれる毛細血管のかたまりがおよそ100万個あります。 炎症によって糸球体が壊れていくとその分だけ腎臓の機能は落ちてしまいますが、腎臓には予備能力があるので、それを早めに食い止めることができれば、残った糸球体が機能を補って元の状態に回復する可能性があります。 しかし治療のタイミングが遅れて糸球体がどんどん壊れてしまい、その機能が元に戻らないような状態になると予備能力が失われてしまいます。 したがって、腎機能を元に戻せないまでもできるだけ障害が少ない状態で止められる可能性があるという意味では、治療介入は早いほうがよいといえます。 全身性エリテマトーデス( SLE )の治療の目的-「生活の質」も重要 皮膚症状に関しても、浅い皮疹であれば治療によってある程度治すことができますが、かなり深いところまでがある場合は瘢痕(はんこん)といって、痕がへこみとなって残ってしまったり、脱毛が永久的なものになってしまったりすることがあります。 ()の患者さんは比較的若い女性が多いため、このような審美的な問題も軽視できないところです。 全身性エリテマトーデス(SLE)は、早期のうちに重症化する患者さんを除けば、診断から1年後の生存率も5年生存率もさほど変わりなく、いずれも95%以上と非常に高い数字を示しています。 適切な治療を受けることができれば短期間に命を落とすようなことはまれであり、非常に良好な状態を保つことができます。 しかし、治療の目的としてはそれ以外にも「メインテナンス」と呼ばれるところが重要です。 我々は長い目で見たときに患者さんがいかに幸福な人生を送ることができるかという視点が非常に大切であると考えています。 横浜医療センター• 内科 アレルギー科 リウマチ科 外科 心療内科 精神科 神経内科 脳神経外科 呼吸器外科 消化器外科 腎臓内科 心臓血管外科 小児科 整形外科 形成外科 皮膚科 泌尿器科 産婦人科 眼科 耳鼻咽喉科 リハビリテーション科 放射線科 歯科口腔外科 麻酔科 乳腺外科 呼吸器内科 循環器内科 消化器内科• 神奈川県横浜市戸塚区原宿3丁目60-2• JR東海道本線 東京~熱海 「戸塚駅」 JR各線、横浜市営地下鉄ブルーライン 1号線 も乗り入れ 西口 戸50ドリームハイツ行、戸52俣野公園・横浜薬大前行、戸55 横浜医療センター下車 バス20分• 045-851-2621.

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