春 は あけぼの。 【マンガ解説あり】枕草子『春はあけぼの』現代語訳・単語の意味からテストに良く出る重要表現まで!【高校生なう】|【スタディサプリ進路】高校生に関するニュースを配信

「春はあけぼの~冬は…」の意味は?【全文の現代語訳】

春 は あけぼの

枕草子第一段「春はあけぼの」の原文を文法と単語に注意して読みましょう。 枕草子「春はあけぼの」 春はあけぼの。 やうやう白くなりゆく山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。 夏は夜。 月のころはさらなり、やみもなほ、ほたる飛びちがひたる。 また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。 雨など降るもをかし。 秋は夕暮れ。 夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。 まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。 日入りはてて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。 冬はつとめて。 雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もてわたるも、いとつきづきし。 昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。 解説 春はあけぼの。 現代語訳 春はあけぼのがいい。 広告 枕草子の第一段は「春はあけぼの」と一般的に言われていますが、それは冒頭が「春はあけぼの」と始まっているためです。 あけぼの … 曙、明け方。 あけぼのは曙と書きます。 今でも(ややかたくるしい形で)使われる単語で、明け方、つまり日が明ける頃という意味です。 「春はあけぼの」を文字通り読むと「春は明け方」となりますが、枕草子ではこれに「良い」という意味を加えることになっています。 現代語訳は「春は明け方がすばらしい」。 やうやう白くなりゆく山ぎはすこしあかりて 現代語訳 だんだん白くなっていく山際が少し明るくなって やうやう … だんだん 山ぎは … 空と山の境界(の空に属する部分) 「やうやう」は気をつけるべき単語で「だんだん」「じょじょに」という意味。 「山ぎは」は「山際」とも書いて、山と空の境界を意味します。 後で出てくる「山の端(やまのは)」も同じく山と空の境界を意味しますが、両者は属する部分が違います。 山ぎは … 山と空の境界の上(空に属する部分) 山のは … 山と空の境界の下(山に属する部分) むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。 現代語訳 紫がかった雲が細くたなびいているのもいい。 「~だつ」 … ~という状態に近い状態 たなびく … (雲などが)横に長くかかる 枕草子を読んで最初につまづきやすいところです。 最初の「むらさきだちたる」を品詞分解します。 広告 むらさきだちたる =むらさき +だち(動詞「だつ」連用形) +たる(助動詞・完了「たり」連体形) 動詞「だつ」は「~という状態に近い状態」という意味を表し、体言(名詞)につきます。 つまり「紫がかっている」。 完全に紫色というわけでなく、紫色に近いような感じという意味です。 雲のほそくたなびきたる =雲 +の(格助詞「の」) +ほそく +たなびき(動詞「たなびく」連用形) +たる(助動詞・完了「たり」連体形) 「雲の」は「雲が」です。 古文では「の」は「~が…する」の「が」を意味することに注意します。 実は現代語でも「私の持っているペン」といった文で使われています。 これは「私が持っているペン」です。 最も難しいところは「たなびきたる」。 本来「たなびきたり」で終わるべきところを、なぜか連体形で終わっています。 これは連体形終止というもので、古文ではなにかを強調するときに連体形で止めることがあります。 冒頭で「あけぼの」と体言で終わっていることを思い出してください。 連体形を(文法的に正確ではないが)一種の体言と考えると、この「たなびきたる」は「あけぼの」とセットになっていると考えられます。 (ウィキメディア・コモンズ「清少納言」) 夏は夜。 現代語訳 夏は夜がいい。 「春はあけぼの」と同じように体言で止まっているため、「良い」を加えます。 月のころはさらなり、やみもなほ、ほたる飛びちがひたる。 現代語訳 月が明るいころは言うまでもない。 闇もやはり、ホタルが飛びちがっているのもすばらしい。 さらなり … 言うまでもない なお … やはり 「さらなり」は古文の最重要単語の一つです。 高校生の方は必ず覚えてください。 「なお」は今でも「やはり」というニュアンスで使われます。 「彼は一生懸命勉強したが、なお点数が悪かった」は「やはり点数が悪かった」です。 いい意味でも悪い意味(やっぱりねという感じ)でも使われます。 広告 「飛びちがひ」は「飛びちがふ」の連用形で、「飛びちがっている」はたくさんのホタルがあっちこっちに飛んでいるようなイメージ。 最後の「たる」は前文の「たなびきたる」の「たる」と同じように連用形終止で、「すばらしい」という意味を加えて強調する役割を担っています。 また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。 雨など降るもをかし。 現代語訳 また、(ホタルが)一つ二つとほのかに光って飛んでいくのも、趣深い。 雨などが降っているのも趣深い。 をかし … すばらしい、趣深い。 「をかし」は古文の最重要単語の一つです。 すばらしい、趣深いという意味で、「おかしい」という現代語とイメージが違います。 「をかし」は「いとをかし」で覚えるといいでしょう。 「いと」は「とても」という意味の副詞で、英語にすると very です。 いとをかし … とてもすばらしい(very good) (ウィキメディア・コモンズ「源氏物語」) 秋は夕暮れ。 現代語訳 秋は夕暮れがすばらしい。 春、夏に続いて秋となります。 ここまですべて体言止めです。 春と夏と同じように「良い」を加えます。 夕日の差して山の端いと近うなりたるに 現代語訳 夕日がさして、夕日が山の端にとても近くなっているときに 山の端は「やまのは」と読み、前述の「山ぎは」で説明したように 山ぎは … 山と空の境界の上(空に属する部分) 山のは … 山と空の境界の下(山に属する部分) という意味。 この文は 夕日の差して 山の端いと近うなりたるに と分かれますが、「山の端いと近うなりたるに」の主語は夕日です。 夕日が「差して」「山の端近う」というわけです。 また「夕日の」の「の」は「が」を意味する格助詞の「の」。 烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。 現代語訳 からすがねぐらに飛んでいこうと、三羽四羽、二羽三羽などと飛んで急ぐ様子さえも、しみじみとしている。 烏 … からす あはれなり … しみじみとしている さへ … ~までも 広告 この文は「あはれなり」と「さへ」がわかっていれば特に問題はないと思いますが、からすについて一つ注意があります。 それは 清少納言はからすが嫌い ということです。 嫌いなからす「さえも」しみじみと思われるくらい、秋の夕暮れはいいものだ、ということです。 まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。 現代語訳 まして雁などが連なっているのが、とても小さく見えるのは、とても趣深い。 まいて … まして いと … とても 見ゆ … 見える、見せる をかし … 趣深い この文は「春はあけぼの」で最もポイントがつまっている文でしょう。 「まいて」「いと」「をかし」「見ゆ」という重要単語があるだけでなく、助詞・同格「の」が入っているため、一見わかりやすい文でも詳しく理解しようとすると意外にやっかいです。 「雁などの」の「の」は同格の助詞「の」であり、「雁などで、雁などが連なっているのが」という意味になります。 この「の」を同格の「の」といって、定期試験や入試でよく問われるところ。 また「見ゆ」もここで覚えておきましょう。 「見ゆ」はヤ行下二段活用の動詞で、「見える」と「見せる」の二つの意味があります。 つまり「A見ゆ」は「Aが(他の誰かBにとって)見える」と「Aが姿を見せる」の二つの可能性があり、ざっくり主語が人か人以外のものかで判断できます。 広告 (人)見ゆ … (人)が姿を見せる (物)見ゆ … (物)が見える 枕草子のこの文では「見える」です。 日入りはてて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。 現代語訳 日が沈みきったときは、風の音や虫の音などは、また言うまでもない。 「はてて」は「果てて」。 はつ … 果てる はた … また ここで「言うべきにあらず」を品詞分解してみよう。 言うべきにあらず =言う(動詞・ハ行四段活用「言ふ」終止形) +べき(助動詞・当然「べし」連体形) +に(助動詞・断定「なり」連用形) +あら(動詞・ラ行変格活用「あり」未然形) +ず(助動詞・打消「ず」終止形) (ウィキメディア・コモンズ「源氏物語」) 冬はつとめて。 現代語訳 冬は早朝がいい。 この文は「春はあけぼの」と同じくらい有名な文で、重要単語「つとめて」の代表的な例文です。 「つとめて」は「務める」ではなく、「早朝」という意味です。 必ず覚えましょう。 雪の降りたるは言ふべきにもあらず 現代語訳 雪が降っている早朝は言うまでもない。 「たる」は連体形で、「つとめて」が隠れています。 つまり 雪の降りたる(つとめて)は言ふべきにもあらず が本来の文で、「つとめて」を重ねるとしつこいので省略しているだけです。 「言うべきにもあらず」はすぐ前に出てきた「言うべきにあらず」と同じ。 霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに 現代語訳 霜がとても白い早朝も、またそうではなくてもかなり寒い早朝に この文はかなり難しい。 特に「さらでも」がやっかいでしょう。 広告 前文の「雪の降りたる(つとめて)」と同じように 霜のいと白き(つとめて)も いと寒き(つとめて)に となっており、どちらも早朝を修飾しています。 問題の「さらでも」は以下のように品詞分解します。 これは「さ」「あり」が「さり」とくっついて、さらに活用したもの。 さ … 指示語(そのような) あり … 動詞・ラ行変格活用「あり」 「さり」がもともとの「あり」の活用を受け継いで、ラ行変格活用のように活用し、「さら」となっています。 ざっくりとした意味は「そのようである」。 「でも」は「で」+「も」であり、「でも」ではありません。 「で」は打消を表します。 この「さらで」という連語は古文でしばしば出てきます。 火など急ぎおこして、炭もてわたるも、いとつきづきし。 現代語訳 火などを急いでおこして、炭を持ってあっちこっち渡りあるくのも、とても似つかわしい。 つきづきし … 似つかわしい 「つきづきし」は覚えておくといい単語です。 「もて」は「もって」の小さい「つ」が省略された形で、現代でも古めかしい表現をするときに使います。 現代語訳 昼になって、寒さがだんだんゆるくなって、ぬるくなれば、火桶の火も白く灰がちになってよくない。 広告 ぬるし … ぬるい ゆるぶ … ゆるむ もて … だんだん がち … がち わろし … よくない この文は枕草子「春はあけぼの」の最後にふさわしい最難関の文です。 この文も一見読めてしまう文ですが、知識がないと誤って読んでしまう。 「昼になりて、…、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。 」は「がち」がわかればそれほど難しくないはずです。 「がち」は今でもよく使いますね。 「怠けがち」とか「遊びがち」とかの「がち」です。 「灰がち」は「灰みたいになって」。 問題は「ぬるくゆるびもていけば」。 つまり寒さがゆるくなって、ぬるくなるのです。 原因と結果が逆になっています。 古文ではこのようなトリッキーな文がたまに出てくるので注意しましょう。 また「ゆるびもていく」は ゆるび+もて+いく で一つの動詞のように使われています。 「ゆるび」は「ゆるぶ(動詞・バ行四段活用)」であり、いくは「行く」です。 間に「もて」という接頭語が入っており、これは「だんだん」「じょじょに」というニュアンスを持っています。

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あけぼの 古典が苦手なあなたに。古典に親しむための本をご紹介!

春 は あけぼの

引用 [ ] [ ] 春はあけぼの [ ] は、あけぼの。 やうやう白くなりゆく山ぎは少し明りて紫だちたるの細くたなびきたる。 の頃はさらなり。 闇もなほ。 の多く飛び違ひたる。 また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。 など降るもをかし。 は、夕暮。 夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。 まいてなどの連ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。 日入り果てて、の、の音など、はたいふべきにあらず。 は、つとめて。 の降りたるはいふべきにもあらず。 のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎ熾して、炭もて渡るも、いとつきづきし。 昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。 (現代語訳) 春は、あけぼのの頃がよい。 だんだんに白くなっていく山際が、少し明るくなり、紫がかった雲が細くたなびいているのがよい。 夏は、夜がよい。 満月の時期はなおさらだ。 闇夜もなおよい。 蛍が多く飛びかっているのがよい。 一方、ただひとつふたつなどと、かすかに光ながら蛍が飛んでいくのも面白い。 雨など降るのも趣がある。 秋は、夕暮れの時刻がよい。 夕日が差して、山の端がとても近く見えているところに、からすが寝どころへ帰ろうとして、三羽四羽、二羽三羽などと、飛び急ぐ様子さえしみじみとものを感じさせる。 ましてや雁などが連なって飛んでいるのが小さく見えている様は、とても趣深い。 日が沈みきって、風の音、虫の音などが聞こえてくる様は、改めて言うまでもない 言うまでもなく素晴らしい。 冬は、朝早い頃がよい。 雪が降った時はいうまでもない。 霜がとても白いのも、またそうでなくても、とても寒い時に、火を急いで熾して、炭をもって通っていくのも、とても似つかわしい。 昼になって、寒さがゆるくなってくる頃には、火桶の火も、白い灰が多くなってしまい、よい感じがしない。 各本 [ ]• 三巻本系第二類本:勧修寺家旧蔵本、中邨秋香旧蔵本、伊達家旧蔵本、古梓堂文庫蔵本 春はあけぼの やう/\しろく成り行く山ぎは すこしあかりて むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる 夏はよる 月の比はさら也 やみも猶ほたるの多く飛びちがひたる 又 ただ一つ二つなどほのかにうちひかりて行くもをかし 秋は夕暮 ゆふ日のさして山の端いとちかうなりたるに からすのね所へ行くとて 三つ四つ二つみつなど とびいそぐさへあはれなり まいて雁などのつらねたるが いとちひさくみゆるは いとをかし 日入りはてて 風の音 むしのねなど はたいふべきにあらず 冬は つとめて 雪のふりたるはいふべきにもあらず 霜のいとしろきも 又さらでもいとさむきに 火などいそぎおこして すみみもてわたるも いとつきくし ひるに成りて ぬるくゆるびもていけば 火をけの火も しろきはいがちになりてわろし• 三巻本系第二類本:弥富本 春はあけぼの やう/\しろく成り行く山ぎは すこしあかりて むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる 夏はよる 月の比はさら也 やみも猶ほたるの多く飛びちがひたる 又 ただ一つ二つなどほのかにうちひかりて行くもをかし 秋は夕暮 ゆふ日のさして山の端いとちかうなりたるに からすのね所へ行くとて 三つ四つ二つみつなど とびいそぐさへあはれなり まいて雁などのつらねたるが いとちひさくみゆるは いとをかし 日入りはてて 風の音 むしのねなど はたいふべきにあらず 霜のいとしろきも、又さらでもいとさむきに 火などいそぎおこして すみみもてわたるも いとつきくし ひるに成りて、ぬるくゆるびもていけば 火をけの火も しろきはいがちになりてわろし• 能因本系 春はあけぼの やう/\しろくなりゆく山ぎは すこしあかりて むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる 夏はよる 月の比はさらなり やみも猶ほたるとびちがひたる 雨などふるさへをかし 秋は夕暮 夕日花やかにさして山ぎはいとちかくなりたるに からすのねどころへ行くとて みつよつふたつなど とびゆくさへあはれなり まして雁などのつらねたるが いとちひさくみゆる いとをかし 日いりはてて、風の音 虫の音など 冬はつとめて 雪のふりたるはいふべきにもあらず 霜などのいとしろく 又さらでもいとさむきに 火などいそぎおこして すみもてわたるも いとつきくし ひるになりて ぬるくゆるびもて行けば すびつ 火をけの火も しろきはいがちになりぬるはわろし• 前田家本 はるはあけぼの そらはいたかくかすみたるに やう/\しろくなりゆくやまぎはの すこしづつあかみて むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる 夏はよる 月のころはさらなり やみもほたるのほそくとびちがひたる またただひとつふたつなどほのかにうちひかりてゆくもをかし あめなどのふるさへをかし 秋はゆふぐれ ゆふひのきはやかにさして山のはいとちかくなりたるに からすのねにゆくとて 三つ四つ二つ三つなど とびゆくさへあはれなり ましてかりなどのつらねたるが いとちひさくみゆる をかし 日のいりはてて かぜのおと むしのねなど はたいふべきにあらずめでたし 冬はつとめて 雪のふりたるはいふべきならず しもなどのいとしろく またさらでもいとさむきに ひなどいそぎおこし すみなどもてわたるも つきくし ひるになりて やう/\ぬるくゆるびもてゆけば いきもきえ すびつ ひをけも しろきはいがちにきえなりぬるはわろし• 堺本 春はあけぼのの空は いたくかすみたるに やう/\白くなり行く山のはの すこしづつあかみて むらさきだちたる雲のほそくたなびきたるもいとをかし 夏はよる 月の比はさらなり ねやもなほ蛍おほく飛びちがひたる 又 ただひとつふたつなどほのかにうちひかりて行くもいとをかし 雨ののどやかにふりそへたるさへこそをかしけれ 秋は夕暮 ゆふ日のきはやかにさして山のはちかくなりたるに 烏のねにゆく三つ四つふたつみつなど 飛び行くもあはれなり まして雁のおほく飛びつれたる いとちひさくみゆるは いとをかし 日入りはててのち 風のおと 虫の声などは いふべきにもあらずめでたし 冬はつとめて 雪の降りたるにはさらにもいはず 霜のいと白きも 又さらねどいとさむきに 火などいそぎおこして すみもてありきなどするみるも いとつきづきし ひるになり ぬれのやう/\ぬるくゆるいもていにて 雪も消え すびつ 火をけの火も しろきはいがちになりぬればわろし 以上はによる。 冬は [ ]• 三巻本-114段 冬はいみじう寒き 夏はよにしらず暑き• 堺本後光厳院本-83段 冬は雪あられがちに凍りし 風はげしくていみじう寒き よし 夏は日いとう照り 扇などもかたときも打ちおかず 堪え難う暑きぞ よき なのめなるは わるし 鳥は [ ] は、異所のものなれど、、いとあはれなり。 人の言ふらむことをまねぶらむよ。。 ひたき。 …… は、詩などにもめでたきものに作り、声よりはじめて、さまかたちも、さばかりあてにうつくしきほどよりは、九重の内に鳴かぬぞ、いとわろき。 人の、 「さなむある」といひしを、「さしもあらじ」と思ひしに、十年ばかりさぶらひてききしに、まことに、さらに音せざりき。 さるは。 竹近き紅梅も、いとよく通ひぬべきたよりなりかし。 まかでて聞けば、あやしき家の見所もなき梅の木などには、かしがましきまでぞ鳴く。 夜鳴かぬも、寝ぎたなきここちすれども、今はいかがせむ。 …… 郭公は、なほ更にいふべきかたなし。 いつしかしたり顔にも聞え、歌に、卯の花、花橘などにやどりをして、はたかくれたるもねたげなる心ばへなり。 五月雨の短か夜に寝ざめをして、いかで人よりさきに聞かむとまたれて、夜深くうち出でたる声の、らうらうしう愛敬づきたる、いみじう心あくがれ、せむかたなし。 六月になりぬれば音もせずなりぬる、すべていふもおろかなり。 夜鳴くもの、なにもなにもめでたし。 ちごどものみぞ、さしもなき。 うつくしきもの [ ] なにもなにも ちひさきものはみなうつくし。 (現代語訳) 何でも、 小さいものはみなかわいい。 近くて遠きもの [ ]• 三巻本系-161段 近うて遠きもの 宮の前の祭り 思わぬ同胞 親族のなか 鞍馬のつづらおりという道 十二月のつごもりの日 正月の一日の日のほど• 堺本系 近くて遠きもの 思わぬはらからの仲 女男もさぞある 船の道 遠くて近きもの [ ]• 三巻本系第二類本:勧修寺家旧蔵本、中邨秋香旧蔵本、伊達家旧蔵本、古梓堂文庫蔵本 遠くて近きもの 舟の道 人のなか-162段 (現代語訳) 遠いようで近いものは、極楽、舟で行く路、の仲。 能因本系 遠くて近きもの 極樂 舟の道 男女の仲• 堺本系:後光厳院本-118段 遠くて近きもの 極樂 くらまのつづらおり 十二月のつごもりと、正月の一日と 宮のべのまつり 寺は [ ]• 三巻本-197段 靈山は 釈迦佛の御住処なるが あわれなるなり• 堺本後光厳院本 りょうせんは 釈迦佛の御住処の名に似たるがあわれなるなり• 能因本-191段 高野は弘法大師の御すみかなるが あわれなり 日は入日 [ ]• 三巻本 日は入日 入りはてぬる山の端に 光なおとまりて赤う見ゆるに 薄黄ばみたる雲の棚引きわたりたる いとあわれなり - 236段 月は有明けの東の山際に細くて出ずるほど いとあわれなり - 237段 雲は白き 紫 黒きもおかし 風吹くおりの雨雲 明け離るるほどの黒き雲の ようよう消えて 白うなり行くも いとおかし 明日にさる色とかや 詩文にも作りたなる 月のいと明かき面に薄き雲 あわれなり - 239段• 堺本後光厳院本-82段 日は入日 月はあり明け 雲はむらさき 風吹く日の雨雲 日入り果てたる山ぎわの まだ名残りとまれるに うす黄ばみたる雲の 細く棚引きたる いとあわれなり いま 明け離るるほど 黒き雲のようよう消えて 白くなり行くおかし あしたにさる色とかや 文にもつくりたる 雪のいと高う降りたるを [ ] 雪のいと高う降りたるを 例ならず御格子まゐりて 炭櫃に火おこして 物語などして集りさぶらふに (宮)「少納言よ 香炉峰の雪いかならむ」とおほせらるれば 御格子上げさせて御簾を高く上げたれば 笑はせたまふ。 の詩にちなむ。 三巻本系の冒頭 雪のいと高く降りたるを,例ならず御格子まゐらせて• 能因本系の冒頭 雪のいと高う降りたるを 村上の前帝の御時に [ ] 村上の前帝の御時に 雪のいみじうふりたりけるを 様器にもらせ給ひて、梅の花をさして 月のいとあかきに 村上のみかど「これに歌よめ。 いかゞいふべき」と兵衞の藏人に給はせたりければ、「雪月花の時」と奏したりけるをこそ、いみじうめでさせ給けれ。 (宮)「歌などよむはよの常なり。 かくおりにあひたる事なんいひがたき」とぞおほせられける。 現代語訳 先の帝、の御治世に、雪がたいそう降ったのを、容器にお盛りになり、梅の花をさして、月がとても明るいところに、「これについて歌を詠め。 どう言うのがふさわしいか」と兵衛の蔵人にお与えになった。 「雪月花の時(最もあなた様をお慕い申し上げます)」と申し上げたのを、帝は大層にお気に召された。 中宮様は、「歌など詠むのは当たり前のことね。 このように折にあったことをいうことこそ難しいのよ」と仰せになった。 これも白居易の詩にちなむ。 「の時」は白楽天「寄殷協律」による。 三巻本系 村上の前帝の御時に、雪のいみじう降りたりけるを、様器に盛らせ給ひて、梅の花を挿して、月のいと明きに、「これに歌よめ。 いかが言ふべき。 」と、兵衞の藏人に賜せたりければ、「雪月花の時。 」と奏したりけるこそ、いみじうめでさせ給ひけれ。 「歌などよむは世の常なり。 かくをりにあひたることなむ言ひがたき。 」とぞ、仰せられける。 能因本系の冒頭 村上の御時、雪のいと高う降りたるを 清少納言についての引用 [ ]• 清少納言こそ、したり顔にいみじうはべりける人。 さばかりさかしだち、真名書き散らしてはべるほども、よく見れば、まだいと足らぬこと多かり。 かく、人に異ならむと思ひ好める人は、かならず見劣りし、行末うたてのみはべれば、艶になりぬる人は、いとすごうすずろなる折も、もののあはれにすすみ、をかしきことも見過ぐさぬほどに、おのづからさるまじくあだなるさまにもなるにはべるべし。 そのあだになりぬる人の果て、いかでかはよくはべらむ。 --『紫式部日記』(1010年) 外部リンク [ ].

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枕草子朗読|清少納言|春はあけぼの|BGM

春 は あけぼの

4月の桜の美しい季節が過ぎ、GWが終わり新緑の時期になりました。 毎年この時期は年度初めで忙しく、また、主婦業も忙しく、もう何年もゆっくりお花見に行けていません。 わが家の裏手は大きな公園になっており、ベランダから見える桜(街灯でライトアップされると幻想的できれいです)で、今春も気持ちを和ませていました。 春について書かれた古典文学作品として、有名なものといえば? 表題にある 清少納言の 『枕草子』です。 春は、明け方がきれい、としみじみ清少納言が書いています。 しかしお気づきのように教科書で習う 『枕草子』は 「春ってあけぼのよ!」ではなかったはずです。 これは、橋本治さんの 『桃尻語訳 枕草子』の一節です。 清少納言を現代でいうところのキャリアウーマンに見立てて、『枕草子』を若者言葉で表現しています。 高校時代(何年前?)古典の先生からこの本を紹介され、古文に対する構え?がなくなったことを覚えています。 今回は、『桃尻語訳 枕草子』のような、古典が苦手!という普通の高校生のみなさんが、少しでも古典に親しむ一歩となるような本を紹介したいと思います。 前述した『桃尻語訳 枕草子』の内容をもう少し紹介 たとえば、第二百十一段。 九月二十日過ぎの頃、長谷寺に参詣して、すっごいボロ家に泊ったんだけど、すっごい疲れてバタンキューで寝たの。 夜中に月が窓から射しこんでたんだけど、みんなが寝てるのの着物の上に白く光ってたりなんかしたっていうのがさ、ホント「メッチャクチャジーンとなる」って思っちゃったわ。 そんな時によね、人間は歌を詠むんだわーー。 「桃尻語」だと親しみが湧きませんか? さらに読みやすいほうがいいという人には、漫画もおすすめ 国語の参考書コーナーにもある学習漫画、また、有名な 『あさきゆめみし』(源氏物語)はもちろんですが、ここでは、百人一首を題材にした 『超訳 百人一首 うた恋い』をおすすめします。 この本では、ある一首を取り上げその歌が書かれた背景などわかりやすく、漫画にしてあります。 脚色しすぎでは?と思うところもありますが、こんな風にして昔の人は和歌を詠み、和歌を送っていたのだと考えるきっかけにはなると思います。 それぞれの和歌についての、現代語訳もわかりやすいですよ! たとえば、 ふくからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ 文屋康秀 のような和歌も、 見て見て。 風メッチャ強くて草木なぎ倒されてんじゃん だから「山」に「風」で「嵐」っていうんじゃね? のように訳されています。 くだけていますが、東京大学の教授が監修されているので内容は確かです。 夜桜を見ながら、和歌に親しむのもいいかもしれません。 古典が苦手なみなさん、ぜひ読んでみてください。

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